労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

「知憲」に最適の憲法コーステキスト

 7月2日付の『東京新聞』「こちら特報部」欄に、《「社会変わる…」改憲神話 世論調査で肯定派増えたワケ》という記事が掲載されました。
 近年、第9条や第96条などの個別条文の改定については反対が多いが、改憲一般となると賛成派が多いという話です。

 同記事で紹介している『北海道新聞』95年調査というのが興味深い。

 《「憲法を知っている」と答えた人の八割近くが改憲に反対し、「あまり知らない」と答えた人の七割が賛成だった。これはムード先行の改憲意識を浮き彫りにしたが、それが進行したとみられる。》

 なかなか興味深い分析です。
 最近は「憲法を読んだことがあるかどうか」という調査はあまりみかけませんが、以前の調査では7~8割が「読んでいない」「あまり読んでいない」だったように記憶しています。
 「改憲神話」という言葉が使われていますが、「原発安全神話」と同じように、科学的な根拠が乏しいままに、なんとなく国民に浸透しているといった雰囲気がうかがえます。

 同記事では、久留米大学(福岡県久留米市)の石川捷治教授(現代政治史)の言葉が紹介されています。

 《今は、期待された政権交代でも社会が変わらない。特定の条文を変えたいというよりも、現状を打破したい、憲法を変えれば、社会が良くなるといった希望的な空気みたいな改憲論がある。》

 このことを石川さんは、「改憲神話」と呼んでいます。
 そこは、領土問題での中韓との緊張、若者の就職難など、とにかく厳しい現状をなんとかしたいという思いが反映しているということです。

 この「なんとなく改憲賛成」にたいし、同記事で登場する関西大学の高作正博教授(憲法学)は、《まずは憲法自体をきちんと知るべきだとの「知憲」という概念》を提唱しています。

 憲法自体を知るというのは、いま本当に大切なことだと思います。
 意外と、護憲派といわれる人だって、本当に憲法をちゃんと読んだことがあるのかどうか、あやしいものです。

 かつては安保賛成の人の7~8割が安保条約を「読んでいない」「ほとんど読んでいない」といわれましたが、いまでもそんなに状況は変わらないと思います。

 日常生活のなかで、マスメディアなどの影響でなんとなくすり込まれ、よく知りもしないのに「そういうもんだ」と思い込んでいることって、けっこうあるかと思います。
 しかし、憲法とか安保とかいう重大問題については、「なんとなく」では済まされません。

 もともと勤通大憲法コースは、憲法の「語り部」をイメージ 1大量につくることを目的としています。
 もちろんその背景には、9条をはじめとする明文改憲攻撃があります。
 今回の全面改訂では、9条・安保問題をより全面的にとりあげるとともに、憲法全体の特徴をよくつかめるような内容にヴァージョンアップしています。
 まさに「知憲」にピッタリのテキストです。

 ぜひ多くの方に受講してもらいたいと思います。
 申込、資料請求、お問い合わせは、下記までお願いします。

勤労者通信大学
電話03-5842-5644
FAX03-5842-5645
E-mail:kin@gakusyu.gr.jp