労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

3月3日オプショナル学習会─御茶ノ水サークル

 先日3月3日(土)の御茶ノ水サークルオプショナル学習会は、2月27日(月)に告知したとおり、『前衛』2012年3月号掲載の、白髭寿一「大増税おしつける『身を切る改革』の欺瞞─選挙制度改革・議員定数削減問題をめぐる情勢の現局面」、堤文俊「『消費税増税社会保障の一体改悪』反対のたたかい」をテキストにして、当面するたたかいの最大の争点ともいうべき社会保障と税の問題、およびそれとセットでだされている選挙制度改革・議員定数削減問題について議論しました。
 

 このなかで、選挙制度改革・議員定数削減問題については、白髭論文にあるように、政党間協議で9党中7党(民主・自民以外)までが衆議院選挙制度の抜本改革が必要ということで一致していること、また自民党もふくめた8党までが何らかのかたちで小選挙区制の弊害を認めていることが、今後の運動を展望するうえできわめて重要であることが確認されました。

 また、超党派の「選挙制度の抜本改革をめざす議員連盟(略称『中選挙区議連』)」が発足されており(2011年11月17日)、2月23日の第2回総会では、次回総選挙にむけた抜本改革をめざして、当面は中選挙区制導入をめざすことが確認されているということが紹介されました。

 小選挙区制については、白髭論文でも紹介されているように、導入を主導した細川護煕元首相と河野洋平自民党総裁も、『朝日新聞』紙上での対談(2011年10月8日付)で“反省の弁”をのべています。

 小選挙区廃止と選挙制度抜本改革にむけた政党間協議、超党派の連携がすすんできているので、この動きに呼応した国民運動の組織化を急ぐことが大事だということが学習会のなかで強調されました。

 また同時に、勤通大基礎コースのテキスト内容にも触れながら、消費税増税やTPP参加反対など個々の政策を「国民の立場」で前向きに是正し、資本主義の枠内での民主的改革、真に「国民が主人公」の民主的政府の実現から社会主義的変革への展望をきりひらくためにも、選挙制度の民主的改革は中心的課題ではないか、ということが議論されました。
 

 社会保障と税の一体改革=「消費税増税社会保障の一体改悪」については、「入る側(=歳入)を増やし、出る側(=歳出)を減らす」という税財政の基本からはじまり、「収入におうじて支出を考える」家計とは根本的にちがうということや、「社会保障との戦争」「負担と給付の不均衡」といった社会保障と税の一体改革を支える「新自由主義派」の「経済学者」が主張している問題の欺瞞性などが議論されました。

 合わせて、政府が「身を切る改革」だとして比例定数削減をだしてきている危険性についてもきちんと認識する必要があることも確認し合いました。

 さらには、すでにこのサークルで学習したことがありますが、派遣労働者を雇うことによる「節税」、輸出企業にたいするばく大な還付金(いわゆる「輸出戻し税」)といった、およそ税制としての体裁をなさない消費税のしくみについてもあらためて言及され、富裕者課税の重要性などについても指摘されました。
 

 議論をすすめていくなかで、途中で震災・原発問題についての議論がはじまり、みなの関心が高いこともあり、一定の時間を割くことになりました。

 未だにガレキの受け入れを拒否している自治体の問題、原発ゼロはいいが、原発を受け入れている地域にとっては原発をなくすと補助金がなくなって、地域の財政・経済がたちゆかなくなるのでは、といった問題もだされました。

 こうした議論が、4月のオプショナル学習会を原発問題でやろうとなった直接のきっかけとなりました。
 

 次回のオプショナル学習会は、4月7日(土)15:00から、前回3月3日(土)にひきつづき、オプショナル学習会をひらくことにしています。
 会場はもちろん、全労連会館5階の勤労者通信大学事務所の会議室です。

 テーマは原発問題で、『学習の友』2011年10月号から2012年1月号まで全4回の連載講座「原発がしめす日本の暗部─私たちは、何とたたかうのか」(執筆は労働者教育協会会長・現代史家の山田敬男氏)と、1月に刊行された小松公生著『原発にしがみつく人びとの群れ─原発利益共同体の秘密に迫る』(新日本出版社)を使用します。

 1回の学習会としてはかなりボリュームがありますが、主要メンバーで議論したところ、山田氏の連載講座が大局的・歴史的な問題の整理であるのにたいし、小松著書は詳細な実態分析ということで、両方を合わせて学習することで、問題をかなり深めることができるのではないかということになりました。
 

 オブザーバー参加大歓迎です。
 連絡は勤労者通信大学までお願いします(担当:吉田)。

 電話03-5842-5644
  FAX03-5842-5645
  E-mail kin@gakusyu.gr.jp    (御茶ノ水サークル運営委員・三島陽一)